PONOS株式会社|ユニークな環境でユニークなゲーム開発 

進路を考えても どこに行ったらいいのかわからない。
学生のなかで、 そう考える人は多いはず。 —
・大企業に勤められたら 安泰だからいい。
・できたら、 福利厚生がしっかりしているところに行きたい
・自分が少しぐらい 興味を持てるものであったら仕事は楽しいだろう。

— いろいろな選択肢を考えるとき、 何を基準にするかは人それぞれ。
その中で、 もっとも人からうらやましく思われ、
もっとも大変な道であるのは、 「自分の好きなものを仕事にすること」

学生に、 できることならそういう キャリアも考えてほしい。
今回は、 そういう思いを込めた 取材企画です。


PONOS株式会社(以下「PONOS」)は平成2年設立の現在60人超の社員を抱えるゲーム製作会社。

社内にはバーがあったり、家のリビングのような空間があったりと社員がくつろぎ、自由なアイデアが生まれるような工夫があちらこちらに見られた。
PONOS1
↑リビングのようなこのスペースは、会社全体で集まる会議の時に使われたり、社員でゲームをプレイしたりするときに使われる。
お昼休みにここで腹筋をしている人もいるだとか。
業務内容は主にゲームアプリ開発。
2012年にPONOSが配信を開始した「にゃんこ大戦争」は多くのユーザーから支持され、
世界で累計ダウンロード数2000万を達成し、任天堂3DSのダウンロードソフトとしても販売を開始された。

今回は、PONOSに勤める、プログラマーの及川正人氏にお話を伺った。

HP:http://www.ponos.co.jp/pc/

聞き手:京都大学工学部1回生 佐々岡 哲哉
ポノス 写真③-243x300PONOS(株) 開発一部 及川 正人 氏


―学生時代はどのように過ごされてきましたか。

及川:プログラムを始めたのは2年ぐらい前で、大学では、機械工学を学んでいました。

―機械工学を学ばれていて、ゲーム製作を行っている会社に就職しようと思ったのはどうしてでしょうか。

及川:僕が2.3回生の時にIPHONEが出始め、
個人でアプリを開発して一攫千金を狙うというブームがありました。

僕もそれをやりたいと感じ、アプリ開発に興味を持ったので、
そちらの道を目指すように考えました。

―就職までにどのような過程を経られたのですか。

及川:ゲーム開発をしたいと考えていました。

ゲーム開発に携わる職種は、デザイナー・プログラマー・プランナーの三つがあります。

そのうち、プログラマーだったら今からでもなれるかなあと(笑)

採用までに何か作って持っていこうと考え、
春の就職活動は行わず、半年間プログラミングを独学しました。

そして、アップストアにアプリを5つだして、それを持って就職活動に向かいました。

そのアプリは売れはしませんでしたが、お小遣い稼ぎにはなったと思いますね。

―そのアプリはおひとりで作られたのですか。

及川:そうです。ゲームはキャラクターが描けないと作れないので、
絵の描けない僕はツールのアプリを製作しました。

―ゲーム開発の各工程にかける時間はどのようにしているのですか。

及川:たとえば製作に1年くらいかける大型のゲームでは、
2か月ほどかけて3種類ほどのゲームの案を考え、簡単に作ります。

その後、3つのうちどれを最終的に作るのかというのを決定して、
本格的に作り始めます。

大がかりなものは慎重に作っていくという方針ですね。

一方で、カジュアルゲーム(※1)であれば、
はじめから1つに絞って作り始めるものが多いですね。

(※1:カジュアルゲーム……短時間でのプレイが可能で、ルールや操作方法も説明書を読まなくても把握できるほどシンプルな、誰にでも比較的簡単に遊べるゲーム群を指して呼ぶことが多い。)

―ゲーム開発前に色々調べられると思うのですが、市場調査はどれくらいおこなっているのですか。

及川:出来上がったゲームのユーザー数の大小、
課金額の大小を分析していくといった感じです。

―ゲーム立案が採用される確率はどれくらいですか。

及川:ゲーム立案をする1つとして、PONOSではXファイルというものを行っています。
Xファイルが自分のもとに回ってきたら、ゲーム立案を記入し、次の人に回すという要領です。

―ゲームの作るペース、製作期間はどれくらいなのですか。

及川:製作に携わる人数で変わってくるのですが、
僕が経験したものでいえば、新人のデザイナーさんと
製作したものは4か月くらいかかりました。

カジュアルなものであればだいたいそれくらいかかります。

―企画が採用されるかどうかはどういった判断基準でされているのですか。

及川:社内の反応が悪かったもの、
盛り上がらなかったものはダメみたいですね。

にゃんこ大戦争で大事にされていたものは、
キャラクターのキモかわいさなのですが、

社内で反応が良かったキャラクターなどが採用されていました。

PONOS 写真②-620x264(↑PONOSのサイト。リリースしたゲームがPRされている。)

―デバック作業(ゲームにバグ・不具合がないかを確かめる作業)にかける時間はどれくらいなのですか。
また、どこまでやれば満足であると判断されるのですか。

及川:アプリのアップデートであれば、3日から1週間かかります。

新規のゲームアプリですと、タイトル規模にもよりますが
2週間以上はかかりますね。

サーバーを使っている物であると、デバックの量も増えてきます。

デバックのやり方としては、チェックシートを使っています。

シートにはチェックすべき各項目が書いてあって、
それをすべて満たせばデバック完了です。

細かいところはゲームを配信してから、ユーザーの方から寄せられたコメントやネットの
書き込みなどを見て修正していきます。

―1度ゲームを配信した後の管理(イベントやキャンペーンの配信)などは
どれくらいの頻度でおこなっているのですか。

及川:月に1回はしているのですが、
コラボが入ってきたりすると2週間に1回などになりますね。

新しい機能を入れ込んだバージョンを配信し、
それを皆さんが使っている間にまた次のバージョンを製作しています。

―では、配信しているタイトル数が増えていくにつれて
仕事量が増えていくのですね。

及川:はい、そういうことになります。

―その場合終わらせるアプリが出てくると思うのですが、
アプリの管理を終了するタイミングというのは
どのように考えておられるのですか。

及川:今のところPONOSでは見切りをつけたアプリはありません。

ほかの企業では見切りをつけるアプリはあると思うのですが、
そこの見切り具合は採算が取れるか取れないかだと思います。

サーバーを使っているアプリでは、サーバー代が結構かかるので、
それを収入が上回らなければ管理を終了する、という感じだと思います。

クライアントだけで完結するものであれば
出し続けても問題ないですが。

―仕事のやりがいは何ですか。

及川:プログラマーとしては、仕事をしていて面白いなと思ったのは、
自分の知らなかったプログラミング技術が理解できた時ですね。

暗号化を最近学んだのですが、すごいな、
よくできているなと思って、大変面白いなと感じました。

あとは、僕はもともとゲームが好きなので、
ゲームが作れるということそのものにもやりがいを感じます。

―逆につらいところは何ですか。

及川:今自分に力がないので、
初めてのものを全く無知な状態からやっていくというのはつらいですね。

先ほど挙げた暗号化もチート対策として最近始めたのですが、
大変苦労しました。

―今仕事に取り組む中で学生時代を振り返った時に、
やっておいてよかったと思うことは何ですか。

及川:やっておいて良かったと思うことは、
学生時代に自分で一度アプリをリリースまでやり遂げたことだと思います。

アップストアに出るまで審査とか、どういう素材が必要なのかとか、
どういうところで審査を落とされるのかとか。

そういった細かいルール、アプリ製作から
実際にアプリを配信するまでの流れが就職前から分かっていたので、
会社に入ってから役に立ちました。

―アプリの開発から配信までの過程のうち
一番躓いたところはどこですか。

及川:やはりアップストアの審査で落とされるというところですね。

結構厳しくて、たとえば、学生時代に

パズドラのフレンド募集などの掲示板を作ったのですが、
そのときに不特定多数の人が書き込めるものには
通報機能を入れなければならないだとか、いろんな審査基準がありました。

―学生時代にやっておけばよかったなと思うことは何ですか。

及川:プログラミングですかね。

もっと早くからやっておけばよかったなと思いました。

―最後にこの記事を読んでいる学生に向けて
一言メッセージをいただけますか。

及川:やっぱり自分の好きなことをやるのが一番だと思います!

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